日本のテレビドラマ史において、口の悪い強烈な女性像を茶ノ間に浸透させた大きな転換点として忘れてはならないのが、フジテレビジョンが制作したドラマ『ファーストクラス』である。ファッション誌の編集部を舞台に繰り広げられた壮絶なマウンティングバトルは、視聴者に強い衝撃を与えた。
とりわけ圧倒的な存在感を見せたのが、モデル・女優の菜々緒が演じた悪女キャラクターだ。容姿端麗でありながら、心の中で、あるいは直接的に容赦のない毒舌を叩きつけるその姿は、従来の「嫌われ役」の枠組みを完全に破壊した。彼女が演じた鋭い毒舌キャラは、視聴者から「スカッとする」「かっこいい」と賞賛され、彼女自身のキャリアを決定づけただけでなく、日本のエンターテインメント業界における悪女・毒舌ヒロインの価値観を根本から塗り替えたのである。