SNSやネット掲示板上では、日本代表の世界大会での躍進を受けて「アジアカップなら全勝優勝して当たり前だ」という楽観的な論調がしばしば散見されます。しかし、現場のスカウティング担当者や専門家が口を揃えるのは、アジアの勢力図が過去数年でかつてない激変を遂げているというシビアな現実です。
事前に行われたバスケ男子アジアカップ勝敗予想を覆す番狂わせが各グループで頻発した背景には、アジア諸国における「帰化枠の積極活用」と「欧米カレッジ出身選手の急増」があります。特に中東勢や東南アジアのチームは、NCAAディビジョン1で主力としてプレーしたガード陣や、NBA傘下のGリーグで実績を持つ210cm超のリムプロテクターを次々とロスターへ組み込んでいます。かつてのように日本の走力と組織力だけで簡単に圧倒できる相手は、もはや存在しません。
日本が苦戦を強いられた試合の要因を分析すると、相手の執拗なサイズアップによるオフェンスリバウンドの献上と、スローペースに持ち込まれた際のハーフコートオフェンスの停滞が浮き彫りになります。相手ディフェンスが日本のスリーポイントを徹底警戒して外側を塞いだ際、ペイントアタックからどれだけインサイドでファウルを誘発できたか――これこそが勝敗を分けた真の分岐点でした。
現在、日本はFIBA男子世界ランキング現在においてアジア最上位クラスの地位を維持していますが、ランキングの数値がそのままコート上の力関係を保証するわけではありません。油断と慢心が即座に足元をすくわれるのが、現代のアジアバスケットボールの真実です。