かつて「最後の映画」と位置づけられた作品を発表し、映画監督としての活動に終止符を打つかのように見えた衝撃の宣言。あれから時を経て、表現の最前線で何が起きていたのか。沈黙を守っていた紀里谷和明の周辺が、再び大きく動き出している。
関係者への取材によれば、彼が構想しているのは従来の映画興行という閉じたシステムに依存しない、グローバル展開を前提とした最新プロジェクトだ。映像というフォーマットすら超え、インタラクティブな表現や次世代の物語体験を融合させた壮大な試み。一度すべてを手放し、自らのクリエイティビティを完全にリセットしたからこそ到達できた境地がそこにある。「作りたいから作るのではない。語るべき必然性があるからこそ、人は再びカメラを握るのだ」。かつて彼が残した言葉が、いま新たな説得力を持って響き渡る。