歩合制とは、労働時間ではなく「個人の売上金額」「契約獲得件数」「対応件数」などの業務成果に応じて支給額が決まる給与形態です。出来高払制(できだかばらいせい)やコミッション制とも呼ばれます。
一般的な給与体系である「固定給」との最大の違いは、リスクとリターンの配分構造にあります。固定給は成果に関わらず毎月一定額が支給されるため生活が安定する反面、どれだけ会社に貢献しても短期間で急激に給与が増えることはありません。これに対し歩合制は、個人の営業力や生産性がダイレクトに毎月の給与へ反映されます。
実務の現場で混同されやすい言葉に「インセンティブ」があります。企業によって同義で使われるケースもありますが、厳密な人事制度上の位置づけは異なります。歩合給は「成果に対してあらかじめ定められた料率や金額を機械的に支払う賃金そのもの」を指すのに対し、インセンティブは目標達成時の「報奨金・特別手当(ボーナス的要素)」として設計される傾向があります。歩合給は給与の主軸になり得るのに対し、インセンティブは固定給に上乗せされるモチベーション向上施策としての性格が色濃くなります。