暮しの手帖が広告を載せない真意とは?70年の歴史と評判を解剖

暮しの手帖が広告を載せない真意とは?70年の歴史と評判を解剖

暮しの手帖が広告を載せない真意とは?70年の歴史と評判を解剖の疑問点について、最新情報を基に徹底解説します。

広告を排除したことで実現したのが、日本の消費者運動の金字塔とされる「暮しの手帖 商品テスト 歴史」です。1954年(昭和29年)に開始されたソックス(靴下)の耐摩耗テストを皮切りに、同誌は市場に出回る日用品を編集部自らが量販店で自費購入し、客観的な比較テストを誌面で公表し始めました。

その検証手法は常軌を逸した徹底ぶりでした。各メーカーのマッチを10万本以上実際に擦って着火率と軸木の強度を検証したり、各社の電気トースターを集めて4万枚以上の食パンを焼き続け、焼きムラやヒーターの耐久性を冷徹に評価したりしました。さらに、ベビーカーの走行安定性や石油ストーブの安全性試験では、有名メーカーの欠陥を実名で厳しく指摘し、業界団体や通商産業省(現・経済産業省)を動かして安全基準の改定にまで発展させた実績を持ちます。

メーカー側からの猛烈な抗議や訴訟の脅しにも怯まず事実を公表できたのは、背後に広告主としての利害関係が一切存在しなかったからです。「商品テストはメーカーいじめではなく、生活者の命と家計を守り、ひいては良質なものづくりを促すための社会的警鐘である」という花森の哲学は、戦後日本の高度経済成長期において消費者の強力な盾となりました。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。