オクラの調理で最も差がつくポイントは、加熱時間と事前の下処理工程です。表面の産毛(うぶげ)を残したまま加熱したり、過剰に茹でてしまったりすると、特有のシャキッとした歯ごたえが失われ、口当たりが悪化します。
料亭やレストランの調理工程で徹底されている基本手順は以下の通りです。
まず、オクラのヘタの先端をわずかに切り落とし、ヘタと実の境目にある「ガク」の固い部分を鉛筆を削るようにぐるりと剥き取ります。次に、塩を適量(1パックあたり小さじ1/2程度)振り、まな板の上で手のひらを使って転がす「板ずり」を行います。この工程により、表面の細かな産毛が取れて口当たりが滑らかになるだけでなく、発色が鮮やかなエメラルドグリーンに変化します。
仕上がりを左右するオクラの下処理と茹で時間の目安は、沸騰した湯で「1分〜1分30秒」が鉄則です。2分を超えると組織が崩れて歯ごたえが損なわれます。茹で上がったらすぐに氷水または冷水に取って熱を取り、色止めを行ってからペーパータオルでしっかりと水気を拭き取ります。
一方、忙しい夕方に重宝するのが電子レンジ簡単時短レシピを活用した加熱法です。耐熱皿に下処理したオクラを並べ、水大さじ1を振りかけてふんわりとラップをし、600Wで約50秒(500Wなら1分)加熱します。お湯を沸かす手間が省けるだけでなく、ビタミンCや水溶性食物繊維の流出を最小限に抑えられる大きな利点があります。