織田裕二を語る上で避けて通れないのが、映画界・ドラマ界の伝説的メガヒット作『踊る大捜査線』シリーズにおける「共演NG」や「確執」を巡る噂です。とりわけ室井慎次役を演じた柳葉敏郎氏との不仲説は、平成から令和に至るまで週刊誌の格好のネタとされてきました。
当時、現場で青島俊作(織田)と室井慎次(柳葉)が役柄さながらに激しく対立していたことは、後に双方の口からも語られています。柳葉氏はかつて「織田くんの芝居に対する貪欲さに圧倒され、自分の立ち位置に悩んで降板を申し出たことすらあった」と明かしています。しかし、これは個人的な嫌悪感による衝突ではなく、「作品を最高のものに仕上げるためのプロ同士の衝突」でした。
実際、2024年秋に公開された映画『室井慎次 敗れざる者』『室井慎次 生き続ける者』のスピンオフ2部作公開時にも、青島俊作の存在が物語の根底に色濃く描かれ、二人の固い信頼関係が再注目されました。互いの役者魂を認め合っているからこそ、緊張感を保ち続ける関係であり、巷で囁かれるような子供じみた「共演拒否」ではありません。
さらに、2023年にテレビ朝日系で放送されたドラマ『シッコウ!!〜犬と彼女と私〜』では、主演の伊藤沙莉を支える執行官役として、約30年ぶりとなる「助演(脇役)」での出演を快諾しました。若手俳優を温かく見守り、現場の空気を和ませる彼の姿は、「気難しいスター」という過去のレッテルを完全に過去のものにしています。