日本記録保持者である戸邉直人選手のように、世界のトップレベルで活躍するジャンパーたちは、異次元の助走スピードと正確な踏み切り技術を併せ持っている。歴史を遡れば、伝説のハビエル・ソトマヨル氏が打ち立てた世界記録も、極限まで磨き上げられたアプローチと踏み切りのエネルギー伝達によって生み出されたものだ。彼らが実践する背跳びの高度な技術も、根底にははさみ跳びで培われる直立的な軸の維持感覚が存在している。
世界陸上競技連盟が公表する最新のコーチングマニュアルでも、身体の「軸」を意識した補強運動の重要性が強調されている。ジャンプ力を伸ばすためには、単に足の筋力を鍛えるだけでなく、体幹を固定しながら股関節を素早く可動させるトレーニングが欠かせない。片足ジャンプやハードルまたぎといった基礎練習を繰り返すことで、空中での姿勢制御が劇的に向上する。