英語の文法体系において、形容詞(Adjective)と副詞(Adverb)を分かつ最大の境界線は、「どの言葉を修飾(説明)しているか」および「文の骨格(要素)になれるかどうか」という2点に集約されます。この根本原則を曖昧にしたまま暗記を進めてしまうことが、多くの学習者が伸び悩む原因です。
名詞修飾と動詞修飾の使い分け理由は、英語という言語が「対象そのものの属性(何であるか)」と「動作や状態の様態・程度・時・場所(どのように行われたか)」を厳密に区別して伝達する構造を持っているためです。
まず形容詞の役割は極めて明確で、「名詞を修飾すること」、そして「第2文型(SVC)や第5文型(SVOC)において補語(C)になること」です。名詞に直接くっついて具体的な情報を付け加える(限定用法:a quiet room)か、主語や目的語の状態を説明する(叙述用法:The room is quiet.)という2つの働きしか持ちません。
一方、副詞の役割は「名詞以外すべてを修飾すること」です。具体的には動詞、形容詞、他の副詞、さらには文全体を修飾します。そして決定的な違いとして、副詞は主語(S)・動詞(V)・目的語(O)・補語(C)という文の主要素(骨格)には絶対になれません。どれほど文中に副詞が並んでいても、文法構造上はすべて「修飾語(M:Modifier)」として扱われ、削ぎ落としても文の骨格そのものは成立します。
ここで多くの学習者が躓くのが、「補語になる品詞とならない理由」です。英語の基本文型において、補語(C)とは「主語(S)や目的語(O)とイコールの関係を結ぶ要素」と定義されています。主語や目的語は必ず「名詞」であるため、その状態や性質を説明できるのは、名詞の性質を補足する力を持つ「形容詞(または名詞そのもの)」に限られます。動作の勢いや状況を肉付けする「副詞」では名詞とイコールの関係を結べないため、文法構造上、補語の位置に副詞を置くことは許されません。