なぜ市民に開かれたマクドナルド周辺で凶行に及んだのか。その根本的な動機には、当時の北九州市で激しさを増していた暴力団排除活動(暴排運動)に対する組織的な反発と見せしめがありました。
当時、北九州市内の飲食店や商業施設では、みかじめ料(用心棒代)の支払いを拒絶し、暴力団員の立ち入りを禁止する「暴排標章」を掲げる動きが急速に広がっていました。これに対し工藤会側は、市民や事業者を恐怖で屈服させるため、一般商業施設やその利用客すら顧みない過激な実力行使を各地で展開。マクドナルド周辺でのトラブルも、縄張り内での威圧行動や対立組織関係者への襲撃、さらには警察の監視に対する挑発が重なった結果として引き起こされたものでした。
暴力団対策法や福岡県暴力団排除条例の厳罰化が進む中、一般社会との共存を完全に拒絶し、凶暴性をむき出しにした工藤会の特異な組織風土が、一般市民をも巻き込みかねない無差別な凶行へと駆り立てた要因と分析されています。