予防薬と一口に言っても、配合されている有効成分によって作用のメカニズムやカバーできる寄生虫の範囲は異なる。歴史的に長く使われてきたのがイベルメクチンである。低用量で高い駆虫効果を発揮し、世界の獣医療を一変させた名薬として知られる。
一方で、近年採用例が増えているモキシデクチンなどの新世代成分は、体内での持続性や特定の寄生虫に対する有効範囲の広さで注目を集める。これらの薬剤はいずれも「体内に侵入した幼虫が血管内に到達する前に退治する」仕組みをとっており、感染そのものを防ぐバリアではなく、定着を防ぐ駆除剤として機能している点を正しく理解しておきたい。