昔から「貧血の薬である鉄剤はお茶に含まれるタンニンと結びついて吸収を阻害するため、お茶で飲んではいけない」と教えられてきた。だが、近年の薬理学研究によって、この従来の常識にやや変化が生じている。
臨床データの再検証により、通常の濃度の緑茶や紅茶に含まれるタンニン量であれば、現代の有機鉄製剤の吸収に与える影響はかつて懸念されていたほど壊滅的ではないことが判明してきた。それでもなお、鉄欠乏性貧血の重症患者や高用量の鉄剤を処方されているケースでは、安全を最優先すべきだ。医療現場では今もなおリスク回避のための指導が基本となっている。