こうした規制の波に対し、現場からは困惑と危惧の声が上がっている。長年にわたり大型キャンペーンを手がけてきた大手広告代理店業界の幹部は、匿名を条件に次のように明かした。「酒類のプロモーションは、クリエイティブの象徴でもあった。もしTVでの露出や刺激的な演出が全面的に縛られれば、ブランドの差別化は極めて難しくなる」。
また、酒類製造業のマーケティング担当者も危機感を隠さない。「アルコール離れが進む若年層に対し、いかに商品の魅力を伝えるか苦心している中で、広告表現の選択肢が削られるのは大打撃だ。今後は微アルコールやノンアルコール飲料への予算シフトを急がざるを得ない」と語る。テレビ局や制作会社にとっても、主要スポンサーである酒類メーカーの広告費縮小は、収益構造を直接揺るがす死活問題となりつつある。