かつて広告モデルを頑なに拒絶していたNetflixの共同創業者リード・ヘイスティングス氏の方向転換は、業界全体のターニングポイントとなった。Netflixは低価格な広告付きプランの拡充に大きく舵を切り、会員数の急増を達成した。単に価格を下げるのではなく、精緻な広告配信システムと作品の魅力を掛け合わせることで、「安くても高品質」という新たな価値基盤を作り上げたのだ。
一方で、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーを率いるデヴィッド・ザスラフCEOは、よりドラスティックな経営改革を進めた。同社が誇るプレミアムブランドHBO Maxにおいて、看板コンテンツのクオリティを死守しつつも、未配信作品の整理や制作管理の厳格化を徹底。ザスラフ氏の強固なコスト意識は、高コスト体質に苦しむエンタメ業界に「無制限な資金投入の終焉」を強烈に印象付けた。