この演出技法を決定づけた代表格が、鳥山明氏の手掛けた名作『ドラゴンボール』である。少年ジャンプ(集英社)の黄金期を支えた同作では、敵キャラクターが味方の腹部に猛烈な一撃を叩き込む場面が苛烈かつ美しく描かれた。格闘アクションにおける「強さの絶望的な差」を1コマで読者に知らしめる手法として、腹部への打撃は完璧な効果を発揮したのである。
身体の中心を突かれることで全生体機能が停止するかのような描写は、その後のバトル漫画全般のスタンダードとなった。読者の記憶に深く刻まれたこのショッキングなコマ割りこそが、後のミーム化の土台となったと言ってよい。