「少しくらいの傷なら走る分には問題ない」と放置してしまうケースも見受けられますが、これは車両維持の観点から大きな誤解です。アルミニウム合金は空気に触れると酸化被膜を形成しますが、水分や融雪剤(塩化カルシウム)、ブレーキダストに晒され続けると「白サビ」と呼ばれる特有の腐食が急速に広がります。
塗装が剥がれた境界から水分が浸入すると、クリア層の下でクモの巣状に腐食が浸食し、やがてタイヤビード部(タイヤとホイールの密着面)に達して微小なエア漏れを引き起こすケースも現場では頻繁に報告されています。また、下取りや買取りの現場において、ガリ傷は1本あたり1万円から3万円前後の査定マイナスとして厳格に減点されるのが通例です。
一方、ユーザーから頻繁に寄せられる「ホイールのガリ傷があると車検に通らないのか?」という疑問について、道路運送車両の保安基準(第9条関連)の観点から現場の実態を整理します。
結論として、単なる表面の擦り傷や浅い欠け程度であれば車検は問題なく通過します。しかし、検査員の目視確認において「走行中に破損するおそれがある著しい変形」「クラック(ひび割れ)」「タイヤのはみ出しを誘発するような突起」が認められた場合は、保安基準不適合となり車検をパスできません。安全上のリスクを排除するためにも、早期の適切な処置が不可欠です。