過蓋咬合の治療は、単なる「見た目の美しさ」を整える審美歯科ではなく、「生涯にわたり自分の歯で噛み続けるための機能的再建」であると認識すべきだ。
過蓋咬合を抱える人は、無意識のうちに奥歯を強く食いしばる傾向が強く、咬合力(噛む力)が一般的な基準よりもはるかに強い。そのため、治療法を選択する際は以下の明確な判断基準を持って臨むことが失敗を防ぐ鍵となる。
【すぐに本格的な矯正相談を受けるべき人】
・下の前歯が上の歯茎に当たって痛みや出血を繰り返している
・すでに顎関節からクリック音が鳴る、または口が指2本分以下しか開かない
・過去に治療した奥歯の被せ物が何度も割れたり外れたりした経験がある
・歯のすり減りが進行し、冷たいものがしみる
【治療方法の選定に慎重を期すべき人】
・自己管理が苦手で、1日20〜22時間の装着ルールを守る自信がない人(マウスピース矯正ではなく固定式のワイヤー矯正を選択すべき)
・重度の骨格性下顎後退があり、歯の移動だけでは前歯の突出感や横顔のバランスを改善しきれない人(指定医療機関での保険適用外科矯正を視野に入れるべき)