過激なビジュアルのみが切り取られて拡散されやすいインターネット上では、デスマッチに対していくつかの典型的な誤解が存在します。代表的な誤解とその実態を整理してみましょう。
第一の誤解は「デスマッチはルール無用の無法地帯で行われている」という認識です。実際には、通常のプロレス以上に厳密な合意とルール設定が存在します。どのようなアイテムを使用し、どの範囲まで攻撃を認めるか、危険なアクシデントが発生した際にレフェリーがどのタイミングで試合を止めるかといったプロトコルは、綿密に取り決められています。
第二の誤解は「プロレス技の技術がないレスラーが凶器に頼っている」という偏見です。しかし、実際は全く逆と言えます。足元がガラス片で滑りやすく、ロープのリバウンドすら使えない過酷な状況で正確な受身を取り、相手を安全に着地させるには、通常の試合以上の卓越した基礎技術とボディーコントロールが不可欠です。一流のデスマッチファイターほど、基礎的なレスリング技術において高い評価を受けているのがマット界の定説です。