第4章のニューダンガンロンパV3 学級裁判が歴代屈指の混沌と苦痛に満ちた展開となった最大の要因は、犯人であるゴン太自身が「自分が殺したこと」を完全に忘れていた点にあります。
仮想世界へダイブする際、プレイヤーはヘルメットと本体をつなぐ2本の通信プラグを装着する必要がありました。通常は「右側に赤(記憶・意識領域)」「左側に青(視覚・運動領域)」を接続する仕様でしたが、機械の操作に不慣れだったゴン太は、左右のコードをあべこべに差し込んでしまったのです。
この配線ミスによって致命的なバグが生じました。仮想世界のアバターとして活動していた間の一連の記憶が、現実世界のゴン太の脳へ正常にフィードバックされず、ログアウトした瞬間に仮想空間内での出来事がすべて欠落してしまいました。
この結果、裁判の場で最原終一たちから追及を受けても、ゴン太は演技ではなく本心から「ゴン太はやってない!みんな信じて!」と涙ながらに訴え続ける事態に陥ります。嘘を暴くはずの学級裁判において、「無実を信じる無実ではないクロ」を論破しなければならないという、精神をすり減らす構図が完成してしまったのです。