国会中継で流れた海江田大臣の号泣劇は、当時のネット掲示板(2ちゃんねる)や黎明期のTwitter(現X)、ニュースのコメント欄で爆発的な議論を巻き起こしました。世論の評価は大きく2つに二分されました。
一方では、「人間味がある」「菅総理の理不尽な横暴に振り回されてあまりに不憫だ」という強い同情論が寄せられました。立地自治体に頭を下げて再稼働を取り付けた直後に首相から一方的にひっくり返され、そのすべてのツケを国会で一人背負わされて怒号を浴びる姿に、日本の企業社会における「理不尽なトップと中間管理職の悲哀」を重ね合わせるビジネスパーソンも少なくありませんでした。
他方で、メディアや政治評論家、野党支持者からは極めて手厳しい批判が噴出しました。「国家の未曾有の危機に、原発と電力供給を統括するトップが感情をコントロールできずに泣くとは何事か」「泣くくらいなら即刻辞任すべきだ」「政治家としての覚悟とリーダーシップが決定的に欠如している」といった声が相次ぎ、政治家の答弁における「涙」の是非を巡って大論争が展開されました。