テレビ番組やレシピ本を眺めていると、誰でも簡単に食費が半減し、絶品ディナーが完成するように思えます。しかし、現場の食材管理を考慮せずに真似をすると、思わぬ挫折やつまずきを経験することになります。
第1の誤解は、「大容量=すべてお得」という認知バイアスです。業務スーパーの店頭に並ぶ1キログラム単位の業務用ドレッシングや調味ソースは、単価計算上は安価です。しかし、一般家庭で日常的に消費するには量が多すぎ、開封後に酸化が進んで味の劣化を招いたり、冷蔵庫のドアポケットを占有し続けたりする事態に陥りがちです。スー子氏の提唱するレシピ群は、彼女自身が食材の回転速度を熟知した「元プロ」だからこそ成立している部分があり、初心者はまず小分けタイプや汎用性の高い商品から着手するのが賢明です。
第2の罠は、冷凍庫の温度変化による「冷凍焼け」問題です。業務スーパーの冷凍野菜や肉類は、一度開封した後に袋の口を輪ゴムで留めただけの簡易保管に頼ると、庫内の乾燥によって短期間でパサつきや異臭の原因となります。ジッパー付き保存袋に入れ替えて空気を抜く、あるいは2〜3週間以内に優先して使い切るローテーションルールを構築しないと、食材を無駄にしてしまうリスクを孕んでいます。