岐阜県西部に位置する上ケ流茶畑(揖斐川町春日)は、すり鉢状の山肌に沿って美しい幾何学模様を描く段々畑が広がる風光明媚な地域です。標高300メートルから350メートルの山腹に茶畑が切り拓かれた歴史は古く、室町時代から約700年にわたり「春日茶(揖斐茶)」の栽培が脈々と受け継がれてきました。
この地が一躍全国区の脚光を浴びたきっかけは、山肌を埋め尽くす石垣と茶の畝(うね)が、霧深い山の稜線と重なり合う姿が「ペルーのマチュピチュ遺跡に酷似している」とSNSで爆発的な話題となったことにあります。過疎化が進んでいた集落でしたが、地元有志の手によって見晴らし台や散策路が整えられ、地域創生の象徴的な成功モデルとしても高く評価されています。
古くから無農薬栽培や減農薬栽培に取り組んできた高品質な揖斐茶の芳醇な香りと、山深く澄んだ空気、そして人工物の極めて少ない原生的な山岳景観が織りなす圧倒的な没入感こそが、多くの旅行者を惹きつけてやまない最大の理由です。