ネット上やSNSの一部では「老朽化で取り壊されるのか」「建て替えになるのでは」という憶測が飛び交いましたが、これは事実ではありません。今回の工事は建物の躯体をそのまま活かした大規模改修(リノベーション・インフラ刷新)です。
江戸東京博物館が長期休館に踏み切った背景には、開館から約30年が経過したことによる明確な理由が存在します。世界的建築家・菊竹清訓氏が設計した延床面積約3万平方メートルのメガストラクチャーは、屋内の空調設備、超高圧受変電設備、消火配管、エスカレーター・エレベーターといった重要インフラが更新周期を迎えていました。さらに、近年のインバウンド急増に伴う多言語対応の遅れや、バリアフリー基準の現代化、収蔵品の温湿度管理レベルの向上が不可欠となったことが大規模改修の経緯です。