どれほど時代が移り変わり、車の自動運転や最新のドライブアシストが進化しようとも、ハンドルを握る人間の身体が過酷な自然の峠越えで疲弊する本質は変わりません。奥羽山脈の冷気の中で車を降り、湯気でくもる仙岩峠の茶屋のガラス戸を開けた瞬間に迎えてくれる香ばしい出汁の匂い――それは何世代もの人々の旅情を包み込んできた、東北の生きた文化そのものです。
仙岩峠の茶屋 名物おでんの黒光りする角皿に盛られた一品一品には、過酷な国道を切り開いてきた先人たちと、今を生きるドライバーたちへの誠実な祈りが込められています。岩手と秋田の境界、壮大な自然と眼下の新幹線を眺めながら味わうあの滋味深い一口は、ただのグルメ巡りを超えた旅の忘れ得ぬ記憶として刻まれるはずです。奥羽の空を仰ぎ、ぜひその暖簾をくぐってみてください。 (出典: 仙 岩 峠 の 茶屋(Yahoo!ニュース))