生活の足や配達インフラとして日本経済を支えてきた原付一種の灯を消さないため、警察庁の有識者検討会が打ち出した救済策が「排気量125cc以下、最高出力4.0kW以下」という新区分でした。世界的に流通しているグローバル規格の110cc〜125ccエンジンを流用し、ECU(エンジン制御装置)や吸排気系のセッティングによって出力を意図的に絞る手法です。
なぜ上限が「4.0kW(約5.4馬力)」に設定されたのか。警察庁が実施した走行実証実験の報告書によると、従来の50cc原付(最高出力およそ3.0〜3.5kW前後)と同等の加速力・登坂性能・最高到達速度になるよう綿密に計算された数値が4.0kWでした。これにより、二輪免許を持たない普通免許保持者が運転しても、従来の原付以上の危険を生じさせない論理的整合性を保っています。
上の表が示す通り、新原付はハードウェアこそ125ccベースであるものの、道路交通法上の扱いは従来の原付一種と完全に同一です。「最高速度30km/hの規制」「3車線以上の交差点における二段階右折の義務」「第一通行帯(左側車線)走行の義務」はそのまま引き継がれます。