敗血症は特定の特殊なウイルスだけで起きるわけではありません。日常的に遭遇するあらゆる感染症が引き金になり得ます。日本集中治療医学会などの集計によると、敗血症の発症原因となる原発巣(感染の出発点)として特に多いのが以下の疾患です。
- 呼吸器感染症:肺炎、誤嚥性肺炎(全体の約30〜40%を占める最多原因)
- 腹部感染症:腹膜炎、急性胆管炎、急性胆嚢炎、腸炎
- 尿路感染症:腎盂腎炎、難治性の膀胱炎(特にカテーテル留置中の高齢者に多発)
- 皮膚・軟部組織感染症:蜂窩織炎、褥瘡(床ずれ)の感染、重度の火傷
体内に侵入した病原体が血管内へ毒素を放出すると、過剰なサイトカイン(免疫情報伝達物質)が放出される「サイトカインストーム」が発生します。これにより全身の毛細血管が拡張して血圧が急降下し、血管から水分が漏れ出してむくみが生じます。さらに微小な血栓(血の塊)が全身の血管に詰まることで、酸素と栄養が届かなくなった主要臓器が次々と悲鳴を上げる仕組みです。