BMWあおり運転事件の最大の社会的波及効果は、2020年6月30日に施行された改正道路交通法による「妨害運転罪」の新設です。それまで直接的な罰則規定が曖昧だったあおり行為に対し、警察庁は明確な構成要件を定義しました。
現行法では、通行区分違反や急ブレーキ禁止違反、車間距離不保持など10類型の行為を「他の車両等の通行を妨害する目的」で行った場合、最長3年の懲役または50万円以下の罰金、違反点数25点(一発で免許取消・欠格期間2年)が科されます。さらに、高速道路上で他の車を停止させるなど著しい危険を生じさせた場合は、最長5年の懲役または100万円以下の罰金、違反点数35点(免許取消・欠格期間3年)という重罰が適用されます。
警察庁の統計によると、法改正以降、ドライブレコーダーの装着率は自家用車で80%を突破。証拠映像に基づく厳格な摘発が定着し、危険運転に対する包囲網はかつてないレベルで強固になっています。