街路の安全確保と所有権の行使が対立する中で、最も関心を集めるのが「いけず石の違法性」です。自己所有の敷地内であれば何を置いても自由なのか、それとも道路空間を狭める工作物として法に触れるのか、明確な法的境界が存在します。
判断の決定打となるのは、いけず石と私有地の境界線がどこにあるかという点です。石が自己所有の敷地内に完全に収まっている場合、民法第206条が保障する所有権の行使とみなされ、法的な違法性を問うことは極めて困難です。行政側も民地内の造園物や置石に対しては強制介入できません。
一方、道路区域内に石が少しでもはみ出している場合は、明確な違法行為となります。道路交通法第76条第3項は「何人も、道路において、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに置いてはならない」と定めており、さらに道路法第43条(道路に関する禁止行為)にも抵触します。地域の土木事務所や所轄警察署に対して近隣住民から苦情や通報が寄せられた場合、道路管理者による現地調査が行われ、所有者に対していけず石の撤去要請や指導が下される事例が後を絶ちません。