エンターテインメントの歴史を振り返ると、画面の向こうで輝くヒロインの像は常に社会の気分を映し出してきた。国民的な愛され女優として知られる新垣結衣が、大ヒットを記録したラブコメディ『逃げるは恥だが役に立つ』で見せた飾らない笑顔やユーモアを交えた感情表現は、従来の完璧主義的なヒロイン像を大きく塗り替えた。気負いのない素直なリアクションが、見る者に深い親近感を与えたのだ。
現代におけるコンテンツ消費のあり方も、この意識の変化を加速させている。Netflixなどのグローバルな配信プラットフォームで話題を集める作品群や、Instagramで日常をありのままにシェアするクリエイターたちの発信は、作られた完璧さよりも、等身大の人間味やふとした隙にこそ強い魅力を感じさせる。集英社をはじめとする主要出版社が手がけるファッション誌やライフスタイル誌でも、造形美そのものより「引き寄せられる雰囲気」の作り方を掘り下げる企画が絶大な支持を集めている。