「ウサギはげっ歯類の一種である」と誤解されているケースは現在でも後を絶ちません。かつては同一の目として扱われていた時代もありましたが、現在の比較解剖学・分子系統樹解析により、ウサギは「ウサギ目(重歯目:Lagomorpha)」として明確に区別されています。
げっ歯類とウサギの違いを識別する決定的な証拠は、上顎の前歯の構造にあります。
- げっ歯類:上顎の切歯は「1対(2本)」のみ。
- ウサギ目:大きな切歯のすぐ真裏に「副切歯(小切歯)」と呼ばれる小さな歯が隠れており、上顎だけで「2対(4本)」存在する。
また、下顎の動かし方にも大きな相違点があります。げっ歯類は顎を主に「前後」に動かして物をかじり切るのに対し、ウサギは顎を「左右」にすり鉢状にすり潰すように動かして咀嚼します。見た目が似ているモルモットとウサギを比較しても、モルモットは完全なげっ歯類(テンジクネズミ科)であり、骨格レベルで異なる系統です。