SNSのコメント欄を覗くと、マシュマロにゃんこに対するネットの反応は「尊すぎて語彙力を失う」「撫でているだけで日々のストレスが溶けていく」といった歓喜の声で埋め尽くされています。動物とのスキンシップによって分泌されるオキシトシン(幸福ホルモン)の効果は、ふわふわの毛並みを持つ個体を撫でたときに一段と跳ね上がるという心理生理学的データも報告されており、癒やし効果そのものは紛れもない事実です。
しかし、都内のキャット専門トリミングサロンに勤務する歴15年のベテラントリマーは、現場のシビアな現状を次のように明かします。
「動画に映っているのは、飼い主さんが毎日丹精込めて手入れをした後の『最高の1分間』にすぎません。現実の現場では、ブラシを嫌がって毛玉だらけになってしまい、地肌が引っ張られて皮膚炎を起こした猫ちゃんが駆け込んでくるケースが後を絶ちません。マシュマロの姿を維持するのは、綿あめを雨の中で湿気らせずに持ち歩くような地道な手間の連続なのです」
実際に愛猫家コミュニティやSNSに投稿されるリアルな手記からは、次のような日常の苦労が浮き彫りになっています。
- 「朝起きたら口の中に毛が入っているのは日常茶飯事。黒い服は一生着られない覚悟が必要」
- 「春の換毛期には、猫1匹からもう1匹別の猫が作れるほどの毛が抜ける。ロボット掃除機のダストボックスが半日でパンクする」
- 「お尻の周りの飾り毛に排泄物がつきやすく、こまめな部分カットやお尻拭きを欠かせない」
「ただ座っているだけで勝手にマシュマロでいてくれるわけではない」という現場の現実は、これから長毛種を迎えようとするすべての人に知っておくべき共通認識と言えます。