厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」において、成人の食物繊維目標量は1日あたり男性21g以上、女性18g以上(※年代により微差あり)と設定されています。しかし、国民健康・栄養調査等のデータによると、平均摂取量は1日あたり14〜15g前後に留まっており、毎日およそ3〜5g以上の食物繊維が慢性的に不足しているのが実情です。
この「あと数グラムの不足」を補う手段として、飲料は極めて優れた吸収性と継続性を誇ります。市販の食物繊維飲料を正しく選ぶ上で、まず理解しておかなければならないのが「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の機能的差異です。
市販の清涼飲料水やお茶、炭酸水に添加されている食物繊維のほぼ100%は、液体に溶かしても濁りや粘りが出にくい水溶性食物繊維です。主に以下の3大成分が使われています。
- 難消化性デキストリン:トウモロコシ等のでんぷんから作られる水溶性食物繊維。小腸での糖や脂肪の吸収スピードを穏やかにし、食後血糖値や血中中性脂肪の上昇を抑える機能で多くのトクホ・機能性表示食品に採用。
- イヌリン:チコリやごぼう等に含まれる水溶性食物繊維。腸内細菌(特にビフィズス菌)のエサとなりやすく、短鎖脂肪酸の産生を促して腸内フローラをダイレクトに整える発酵特性を持つ。
- ポリデキストロース:人工的に合成された水溶性食物繊維で、古くからロングセラーの食物繊維補給飲料などに広く活用される実績ある成分。
一方、野菜の筋や穀物の外皮などに多く含まれる不溶性食物繊維(セルロース等)は水に溶けないため、市販の透明な飲料にはほとんど含まれず、すりつぶした野菜をそのまま使う「濃厚スムージー」や「一部の粉末青汁」にのみ含まれます。自分が「腸内環境改善や血糖値対策(水溶性)」を求めているのか、「便のボリュームアップ(不溶性)」を求めているのかによって、選ぶべきボトルは完全に分かれます。