『クイズ!ヘキサゴン』は元来、2003年から水曜夜8時枠で放送されていた心理戦主体のクイズバラエティでした。六角形のスタジオで解答者同士が指名し合う「ヘキサゴンディーラー」として紳助氏が司会を務めていた初期は、知性と裏切りの駆け引きを楽しむ硬派な構成でした。転機が訪れたのは2005年秋のリニューアルです。『クイズ!ヘキサゴンII』へと看板を改め、「かしこい人から早抜けリレークイズ」などの新ルールを導入したことで、番組のダイナミズムは劇的に変化しました。
その渦中で起爆剤となったのが、誤答を恐れず天然のリアクションを連発するタレントたちの存在でした。常識的な問題に珍解答を連発する姿を、紳助氏は嘲笑するのではなく、愛嬌のある個性として徹底的にフィーチャー。ここからいわゆる「おバカブーム」の火蓋が切って落とされます。女性3人組ユニット「Pabo」(スザンヌ氏、里田まい氏、木下優樹菜氏)のブレイクに続き、男性3人組ユニット「羞恥心」(つるの剛士氏、野久保直樹氏、上地雄輔氏)がデビューを果たすと、ブームは社会現象へと発展しました。
ビデオリサーチ関東地区の調査によると、2008年4月9日放送の特番で歴代最高視聴率23.5%を記録。同世代の若者のみならず、祖父母から子どもまで家族全員が水曜夜8時にテレビの前へ集まるという、平成テレビ史に残る熱狂空間を作り上げたのです。