組体操事故のリスクについて警鐘を鳴らし続けてきた名古屋大学の内田良教授らの研究は、教育現場の安全意識を根本から塗り替えた。重大事故の多くは「高さ」だけでなく「不意の落下」や「頭部・頚部への衝撃」から発生している。これを受け、各自治体や学校が策定する学校事故防止ガイドラインでは、演技中の補助員配置や段階的スキルの習得が厳格に義務付けられるようになった。
ガイドラインが求めるのは、単なる技の縮小ではなく「完全なリスクマネジメント」だ。サボテンを行う際も、1ペアにつき最低2名の補助員を配置し、上段者の腰や脇をいつでも支えられる態勢を整えることが標準化されつつある。「挑戦」と「無謀」を取り違えてはならない。科学的根拠に基づいた安全マージンを確保することこそが、教育的意義を担保する唯一の道である。