数々の謎の裏で糸を引いていた犯人は、8年間の服役を終えて村に戻っていた山尾渓介でした。彼が引き起こした一連の凶行の発端は、8年前に東京で起こした10億円相当の宝石強盗事件にあります。
山尾は強奪した大量の宝石を、北ノ沢村にあった自身の実家に隠しました。その後、逃走中に車で冬馬の祖母をひき逃げしてしまい、パニックになって自首。刑務所に服役している間にダム建設が進み、宝石を隠した実家は湖底へと沈んでしまったのです。
出所した山尾の目的は、湖底に眠る宝石を回収することただ一つでした。東都線のトンネル爆破は、新潟のダム周辺の警備体制を薄くするための陽動に過ぎませんでした。そして彼は、ダムを爆破して貯水池の水を一気に放流し、干上がった湖底の実家から宝石を掘り起こそうと計画したのです。私利私欲のために村全体を濁流で押し流そうとする身勝手極まりない動機が、事件の真実でした。