神社本庁の問題は、単なる一団体の内部抗争にとどまらない。その背後には、神道界の最高峰とされる伊勢神宮の存在と、強力な政治団体である神道政治連盟の政治的思惑が複雑に絡み合っているからだ。
神社本庁は全国の神社を包括する行政機関のような役割を担う一方、神道政治連盟を通じて憲法改正や伝統的価値観の推進といった政界への働きかけを積極的に行ってきた。この政治力こそが組織の求心力であり、同時に巨大な影響力の源泉となってきた側面は否定できない。神道界の精神的支柱である伊勢神宮の威光を傘に着ながら、政界とのパイプを武器に排他的な支配体制を強固にしてきた経緯が、今回の内紛によってかえって裏目に出た形だ。