保育現場で指導案(月案・週案・日案)を起草する際、最も頭を悩ませるのが「ねらい」の言語化です。単に「お正月製作を楽しむ」という抽象的な文言では、子どものどのような育ちを支えるのかが伝わりません。発達段階に即した本質的な設定が求められます。
保育所保育指針に基づく具体的な「ねらい」の文面モデル
1歳児1月製作のねらいを策定する際は、厚生労働省の「保育所保育指針」が掲げる「身体的発達」「情緒の安定」「表現への意欲」の3側面に軸足を置くことが鉄則です。
- 情緒・人間関係:休暇明けの不安を受け止めてもらいながら、身近な保育者と一緒に素材に触れ、安心して製作に取り組む。
- 身体・感覚:絵の具、シール、お花紙など多様な素材の感触を手のひらや指先で味わい、叩く・ちぎる・貼るなどの動作を楽しむ。
- 表現・季節:だるまや雪など冬ならではのモチーフに興味を持ち、保育者の言葉掛けを介して自分なりの表現を楽しむ。
スムーズな導入を実現する「絵本」の活用アプローチ
製作の直前にいきなり画用紙を配っても、1歳児は何が始まるのか理解できず不安を覚えます。そこで決定的な役割を果たすのが、1歳児1月製作における絵本での導入です。作業に入る前の数分間、モチーフに関連する絵本を読み聞かせることで、イメージの共有と活動への動機付けが一気に進みます。
だるま製作の前には、リズミカルな動きが楽しい『だるまさん』シリーズ(かがくいひろし著)を読み、身体を左右に揺らしながら「ぷしゅー」「にこっ」と声に出して緊張をほぐします。雪だるま製作の前には、雪の冷たさや丸い形が直感的に伝わる『ゆきだるまのあたま』(中川ひろたか著)などをセレクトするのが定石です。絵本の世界観を視覚と聴覚でインプットしてから素材に触れさせることで、活動に対する子どもの主体性が格段に引き出されます。