1975年4月、東京・日比谷野外音楽堂でのサヨナラコンサートを最後に、彼女たちは潔くステージを降りた。当時、まだ30代前半。さらなる飛躍が期待される中での引退劇は、日本中を騒然とさせた。煌びやかな世界の熱狂と雑音から完全に離れ、二人が選んだのは徹底した「一私人」としての穏やかな暮らしだった。
引退後、膨大な額の復帰オファーやメディアからの取材要請が引きも切らなかった。しかし、二人はそのすべてを静かに断り続けた。当時の関係者は語る。「自分たちの歌声が最高の状態にあるうちに幕を引く。それがファンに対する最大の誠意であり、アーティストとしての美学だった」。世間の喧騒を離れ、プライベートを守り抜く姿勢は、生涯変わることがなかった。