1980年代半ばから90年代にかけて放送された『天才・たけしの元気が出るテレビ』は、当時の日曜8時枠という激戦区で、他局の強力な看板番組を相手に凄まじい視聴率争いを演じた。街頭ロケ、早朝バズーカ、涙の告白、そして突然の失踪劇。日曜夜の居間を占拠したのは、計算され尽くした台本ではなく、何が起きるか分からないスリルそのものだった。
視聴者はテレビの前で息を呑み、次の瞬間に腹を抱えて笑った。学校や職場では月曜の朝一番に番組の話題で持ちきりとなり、紹介された店舗やご当地キャラクターには長蛇の列ができた。テレビが持つ「人を動かす力」が最も凶暴かつダイレクトに発揮されていた黄金期である。