唾液を飲み込む動作では、舌の付け根から喉頭、食道へと筋肉が連動して動きます。この経路にある粘膜やリンパ組織が炎症を起こしていると、嚥下の摩擦によって鋭い痛みが走ります。一口に喉の痛みと言っても、発生部位や状況によって疑われる疾患は大きく異なります。
特に読者からの相談で多いのが「熱はないのに唾を飲み込むと喉が痛い」というケースです。発熱を伴わない初期段階では、エアコンや空気の乾燥による物理的な粘膜刺激、あるいはウイルス感染の超初期が考えられます。また、声の出しすぎによる声帯疲労や、就寝中の口呼吸、胃酸が喉まで逆流する逆流性食道炎でも熱なしで強い違和感や痛みが生じます。
一方で注意が必要なのが「唾を飲み込むと喉が痛い片側だけ」という偏った症状です。喉全体ではなく左右どちらか一方のみに激痛がある場合、片方の扁桃腺に強い炎症が集中しているか、後述する扁桃の奥に膿が溜まるトラブルが起きているサインとなり得ます。