なぜ、タイトルは『塩 少々』なのか。レシピ本で誰もが目にするこの曖昧な分量にこそ、制作陣が最も伝えたかった衝撃の真実が隠されている。制作関係者が明かした裏話は、非常に興味深いものだった。
「レシピの『塩 少々』とは、指の腹でつまんだほんのわずかな量のことです。しかし、そのほんのわずかな塩加減ひとつで、料理の味は劇的に美味しくもなり、台無しにもなる。人間関係もまったく同じではないでしょうか」。制作陣はそう語る。
言葉足らずの一言、ほんの少しの思いやり、あるいは無意識の冷たさ。人の人生を決定づけるのは、激しい愛憎劇ばかりではない。日々の生活の中に潜む「塩 少々」ほどのわずかな感情のさじ加減なのだ。タイトルに込められたこの深いテーマ性を知ったとき、作品のすべてのシーンが別の意味を持って迫ってくるはずだ。