実は失礼?「蓼食う虫も好き好き」の本当の意味とNgな使い方を徹底解説

実は失礼?「蓼食う虫も好き好き」の本当の意味とNgな使い方を徹底解説

実は失礼?「蓼食う虫も好き好き」の本当の意味とNgな使い方を徹底解説とは一体何なのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。

「蓼食う虫も好き好き(たでくうむしもすきずき)」とは、人の好みは千差万別であり、中には一般的には好まれないような風変わりなものを愛好する人もいるという教訓を込めたことわざです。「蓼」とはタデ科の一年草である「ヤナギタデ」などを指し、古くから刺身のツマ(紅たで)や鮎の塩焼きに添える「蓼酢」として知られています。

この蓼という植物の最大の特徴は、他の昆虫や草食動物が口に入れたがらないほどの強烈な辛味と苦味にあります。噛むと舌がピリピリと痺れるほどの刺激物であるにもかかわらず、その葉を好んで食べる「ボタルコガ」などの特定の虫が存在します。「あんなに苦くて辛い草をわざわざ好んで食べる虫もいるのだから、人間の好みも人それぞれ奇妙なものがあっても不思議ではない」という観察眼から、この言葉が生まれました。

また、古典文学や伝承には「蓼の虫は苦きを知らず」という関連ことわざも残されています。これは「蓼を食べる虫は、その苦さを当たり前と思って食べているため苦いと感じていない」ことから、生まれついた環境や本人の境遇に慣れきってしまい、他人が見れば苦境であっても当人は苦痛を感じていない様子を表します。古来、日本人はこの過酷な草と虫の関係性から、人間の心理や価値観の多様性を鋭く切り取ってきました。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。