宇連ダムの歴史を語る上で避けて通れないのが、2019年(令和元年)5月に発生した宇連ダム貯水率0パーセント過去の経緯です。当時、降水量の記録的な不足により、ダム湖の底が完全に露出し、沈んでいた旧集落の橋や林道の遺構が白日の下にさらされた異様な光景は、全国ニュースで大きく報じられました。
あの悪夢のような事態と、防災体制がアップデートされた2026年現在とでは、具体的に何が異なるのでしょうか。客観的な指標を以下の比較表にまとめました。
2019年の危機において、貯水率がゼロになりながらも一般家庭の完全断水という最悪のシナリオを回避できた最大の功績は、佐久間導水路を経由した天竜川水系からの緊急通水でした。この経験を契機に、現在では水位低下が一定ラインに達した時点で速やかに他水系からの融通や広域融通を行う体制がマニュアル化されており、同じ規模の降雨不足が生じた場合でも、システムとしての耐力は大幅に向上しています。