伊豆諸島を語る上で外せないのが、富士箱根伊豆国立公園に指定されたダイナミックな火山地形だ。特に大島の中央にそびえる三原山周辺の「裏砂漠」は、日本で唯一「砂漠」と国土地理院の地図に表記される異界。黒い火山岩のスコリアが一面に広がる漆黒の大地は、まるで別の惑星に降り立ったかのような錯覚を抱かせる。
活火山のエネルギーは、島の食や温泉にも色濃く反映されている。地熱を利用した蒸気井や、ミネラルを豊富に含んだ黒潮の恵み。椿油の搾油場で立ち上る芳醇な香りや、明日葉の鮮烈な苦味を味わうたび、大地と海が直結している事実を舌先で思い知らされる。