ステンレス蒸し器を使う際、誰もが一度は経験するのが「肉まんの底がふやけてベタつく」「シュウマイの皮が破れて水浸しになる」というトラブルです。木製や竹製のせいろとは異なり、ステンレスは水分を一切吸収しません。そのため、立ち上った蒸気が冷たい金属蓋の内側で急激に冷やされ、大粒の水滴となって食材の真上に容赦なく降り注ぎます。
この結露問題を解決する決定打が「蓋への布巾の巻き方」と「事前の蒸気充填」です。まず、ステンレス蒸し器に鍋をセットする際は、必ず下の鍋に十分な水を張り、完全に沸騰させて濃密な蒸気が立ち上ってから食材を投入します。冷たい状態から食材を入れて火にかけると、温度が上がるまでの間に食材が湿気を吸い込み、著しく食感を損なう原因となります。
そして極めて重要なのが、下鍋に入れるステンレス蒸し器の水量です。一般的な20〜24cm前後の蒸し器では、「蒸し目皿の底から2〜3cm下、鍋深さの約3分の1から半分」が最適な基準となります。少なすぎると途中で蒸発してステンレス蒸し器の空焚きを招き、多すぎるとグラグラと沸騰した湯面が跳ねて目皿の穴から食材を直接濡らしてしまいます。長時間の加熱が予想される場合は、途中で足せるよう横に電気ケトルなどで沸かした湯を常備しておくことがプロの鉄則です。