「学会員タレントでなければあの番組のMCにはなれない」「キャスティングは芸術部が牛耳っている」といった言説は、昭和から平成のネット空間で好んで語られた陰謀論の一つです。しかし、実際の業界関係者の証言を総合すると、実態は大きく異なります。
創価学会の芸術部は、歌手、俳優、舞踊家、演芸関係者などで構成される文化的分野の部署であり、定期的な会合や信仰の激励、聖教新聞でのアピールを主目的としています。芸術部幹部を務めるタレントが、後輩の相談に乗ったり現場で助け合ったりする「互助的な結束」は確かに存在しましたが、テレビ局の番組編成や大手広告代理店を意のままに操るような強大な決定権が存在したわけではありません。
久本雅美らトップタレントが冠番組を長年維持できた理由は、純粋に彼女らのバラエティ適性、卓越したアドリブ力、共演者を引き立てるプロ意識が現場スタッフから高く評価された結果です。「学会員だから売れた」のではなく、「熾烈な競争を勝ち抜いた実力者が、たまたま学会員であった」というのが業界内の冷徹な現実です。
むしろ近年では、スポンサー企業が「特定宗教のカラー」が付着することを極端に警戒する傾向が強まっています。グローバル展開を目指す大手企業ほど、広告塔に起用するタレントの宗教的・政治的中立性を厳しくチェックする時代となっており、「芸術部の看板」が地上波のキャスティングにおいて有利に働く局面は過去のものとなっています。