公開から長い年月を経た今、本作を見返した視聴者が一様に息をのむのが、合唱部の生徒たちを演じた若手俳優陣の豪華さです。制作陣が「将来性のみを基準に選出した」と語ったオーディション組は、2026年現在、名実ともに日本映像界の主軸を担っています。
まず筆頭に挙げられるのが、男子合唱部のムードメーカー・向井ケイスケ役を演じた佐野勇斗です。当時、ボーカルダンスユニット「M!LK」結成直後だった彼は、本作が実質的な俳優デビュー作でした。演技経験がほぼ皆無だった少年は、その後TBS日曜劇場『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』やNHK連続テレビ小説『おむすび』での好演を経て、映画・ドラマで主演を連発する国民的俳優へと成長を遂げました。
合唱部を牽引する芯の強い部長・仲村ナズナ役を務めた恒松祐里の歩みも圧巻です。子役出身として確かな基礎力を誇っていた彼女は、Netflix全世界配信ドラマ『全裸監督 シーズン2』のヒロイン役で世界的な注目を浴び、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』など数々の話題作で鮮烈な存在感を発揮。確固たる演技派カメレオン女優としての地位を確立しています。
さらに、ナズナに寄り添う親友・関谷チナツ役の葵わかなは、2017年度後期のNHK連続テレビ小説『わろてんか』でヒロインの座を射止め、その後も本格ミュージカル舞台やサスペンスドラマで圧倒的な歌唱力と表現力を証明し続けています。自閉症の兄を支えながら合唱に居場所を見出す桑原サトル役を好演した下田翔大や、辻エリ役の柴田杏花(現・杏花)、長谷川コトミ役の山口まゆなど、当時の教室に集っていた顔ぶれの多くが、実力派バイプレイヤーとして確固たるキャリアを築いています。