インターネット上で「2月9日 誕生花 怖い」という検索キーワードが目立つ最大の要因は、複数存在する誕生花の候補の中に、ヨーロッパの伝承や神話に由来する陰影を含んだ花言葉が存在するためです。結論から言えば、現代において呪いや不吉な意味合いを持つわけではなく、歴史的な神話解釈や絵画的寓意が現代のWeb上で誇張されて拡散されたものです。
特にネガティブなイメージを持たれやすいのが「キンセンカ(カレンデュラ)」と「黄水仙(キスイセン)」の2種です。
キンセンカには「別れの悲しみ」「失望」「悲嘆」という花言葉が付けられています。これはギリシャ神話において、太陽神アポロンに恋焦がれた水の精クリティが、報われぬ恋の末に憔悴して黄色い花へ姿を変えたという悲恋の物語に由来します。また中世ヨーロッパのキリスト教絵画において、黄色が「裏切り」の象徴(キリストを裏切ったユダの衣の色)とされた歴史的背景も影を落としています。
一方の黄水仙にも「私のもとへ帰って」「もう一度愛してほしい」という、強い未練や執着を想起させる花言葉が存在します。これも泉に映る自分自身に恋をして命を落とした美少年ナルキッソスの神話に根ざしており、自己愛や失われた愛への渇望が表現されているに過ぎません。
都内大手フラワーショップのチーフフローリストへの取材によると、「誕生花は国や時代、編纂した園芸協会によって複数のバリエーションが存在します。不吉な意味を過剰に恐れる必要はなく、相手への想いに適したポジティブな花言葉を持つ花を選択するのがギフトの鉄則です」と語られています。