借金返済のために昼夜を問わず地方営業やドラマ出演、講演会などを詰め込み、極限状態で働き続けていた大場久美子をさらなる悲劇が襲いました。1996年、借金の元凶でありながらも最愛の存在であった実母が急逝したのです。
この母の死を契機に、彼女の心身のバランスは完全に崩壊しました。突然の激しい動悸、過呼吸、強烈な死の恐怖に襲われる重度のパニック障害およびうつ状態を発症。自著の手記では、「電車に乗ることも、ベランダに出ることもできず、部屋の隅で毛布にくるまって震えていた」「呼吸の仕方が分からなくなり、救急車を呼ぶ日々が続いた」と、当時の壮絶な密室状態が生々しく綴られています。
闘病期間は実に約8年間に及びました。彼女がこの暗闇から抜け出せたのは、以下の複合的なアプローチによるものです。
- 認知行動療法の実践:「パニック発作で命を落とすことはない」という医学的事実を論理的に理解し、予期不安のコントロール法を習得。
- 足湯・温活による自律神経ケア:心身の極度な緊張を緩和するため、自ら実践した足湯療法を取り入れ、血流改善と副交感神経の優位化を図った。
- 心理カウンセラー資格の取得:病気を受け入れ、同じ苦しみを持つ人々を救うため、自ら専門知識を体系的に学習。
自身の弱さや病歴を隠すことなく公表し、啓発活動を続けた大場の姿勢は、同じくメンタル疾患に悩む多くの読者から深い共感を呼びました。