内村千日さんは、もともと夫と同じく体操競技に情熱を注いだアスリートであった。日体大時代に出会った二人は、体操という共通の言語を通じて距離を縮め、2012年に結婚。その後、二人の宝物である女児にも恵まれた。
現役時代の内村航平を栄養面や生活面で支え続けた彼女の献身は、当初、理想のスポーツマン家族として称賛されていた。過酷な練習と遠征を繰り返す世界最高峰の選手をサポートするため、表舞台に出ることを控え、ひたすら家庭を守る姿勢を貫いていたのだ。
しかし、その陰にはトップアスリートの妻ならではの重圧と、誰にも言えない孤立感が静かに蓄積していたのだった。